XRP価格見通し：ETF判断接近でトークンは$1.5まで下落するのか？

米国の現物XRP上場投資信託（ETF）申請に関する重要判断が近づく中、注目はRippleのネイティブ資産XRPに集まっています。投資家は、Rippleの新たなデジタルアセット・トレジャリー（DAT）の影響も含め、今後のXRP価格を左右し得る最新動向を追跡中です。本記事では、XRPの価格動向、最新のETFニュース、Rippleの戦略、そしてこれらがXRPの軌道――$1.5までの下落か将来の上昇への布石か――にどう影響するかをデータドリブンで解説します。

XRPの価格推移とテクニカル見通し

市場の混乱とSECの規制判断への期待が高まる中、XRPは直近で$2.60の壁を突破できず、BitcoinやEthereumをはじめ主要暗号資産の下落基調をなぞる展開となりました。現在、XRPは20日移動平均線を下回り、約$2.23になりました。主要な暗号資産データソースによると、過去1週間で17%以上、直近24時間で6.1%下落しています。

出典：CoinMarketCap

テクニカル分析は弱気の構図を示唆：

• レジスタンス：$2.40および$2.45で強く上値を抑えられている。

• サポート：初期は$2.30および$2.28。これを割り込むと$2.25、さらに$2.12が視野に入る。

• 10月以降続く下降チャネル内で推移。出来高を伴って$2.60を奪回しない限り、下方向バイアスが優勢。

• 1時間足のMACDは弱気ゾーン、RSIは50割れで、さらなる下押しリスクを示唆。

• $2.28サポートを明確に割り込んでクローズすると、次の下落ターゲットは$2.12、最終的に$1.95。弱気センチメントの長期化や規制面での失望が重なると、フィボナッチの重要サポートである$1.5までの試しもあり得るとの見方も。

短期の反発ポイントは$2.40、続いて$2.47–$2.50の奪回がカギ。これを達成できれば$2.55–$2.60への道が開けるが、市場構造はなお警戒シグナルを発している。

出典：TradingView

XRP ETFの焦点：SEC判断が目前に

今後数週間で最重要のトリガーの一つが、現物XRP ETF申請に対するSECの判断です。Grayscale、21Shares、Bitwise、CoinShares、Canary Capital、WisdomTreeといった発行体が対象で、決定は2025年10月18〜25日に見込まれています。承認されれば、XRP向けの規制されたメインストリーム投資商品が提供され、機関・個人の双方にアクセスが拡大します。

最近の延期や米政府機関の一時閉鎖により審査は長引いていますが、大手発行体は申請書類の修正を重ね、プロセス再開後の承認に対する自信を維持しています。

なぜETFがXRPの価格に重要か
これまで、現物型暗号資産ETFの承認・ローンチは大規模な機関資金の流入とトークン価格の楽観を呼び込んできました。SECがXRPのETF申請を承認すれば、BitcoinやEthereumのETFローンチ時と同様に需要拡大が見込まれ、強気シナリオでは$5、さらには$10–$15までの上昇を予測する声もあります。

ただし、判断前は強弱入り混じる思惑で値動きが荒く、ボラティリティが高まりやすい局面となるでしょう。

Rippleのデジタルアセット・トレジャリー（DAT）：戦略的な一手

市場見通しに新たな材料として、Ripple Labsは少なくとも10億ドルの調達を目指し、新設するデジタルアセット・トレジャリー（DAT）に注力すると報じられています。この資金はXRPを蓄積し戦略的に活用する狙いで、最近の相場変動にかかわらずトークンの長期的可能性に対する企業としての自信を示すものです。

関係者によれば、調達はSPAC（特別買収目的会社）を通じて行われる可能性があり、Ripple自身が保有XRPの一部をDATに拠出する選択肢もあるという。この“軍資金”は、ボラティリティが高い局面での緩衝材として機能し得るほか、財務管理企業GTreasuryの買収（現金と株式による約10億ドル規模の取引）によって強化された企業のキャッシュおよび流動性管理能力の向上にも寄与します。

ETFとDATがXRP価格に与える影響

ETF承認の可能性
SECが1本以上の現物XRP ETFを承認すれば、XRPの市場見通しにとって画期的な局面となります：

• 機関投資家のアクセス拡大：運用会社、ヘッジファンド、ETFなどからの資金流入が見込まれ、BitcoinやEthereumでの事例を踏襲。

• 市場センチメント：承認は個人・機関の熱量を高め、価格と流動性を押し上げる可能性。

• 上振れシナリオ：強気相場と持続的な資金流入が重なれば、$5突破も視野。

リスク—$1.5まで下落する可能性は？
一方で、SECが申請を延期・却下したり、暗号資産全体のセンチメントが悪化した場合、XRPはさらなる下落を余儀なくされるかもしれません。$2.30、$2.28、$1.95を下抜けると次の主要サポートは$1.50付近。規制面の失望とリスクオフの地合いが重なると、短期的にこの水準まで下押す展開も想定されます。

RippleのDAT
大量のXRPを蓄積するDATの取り組みは、売り圧力が強い局面で市場の安定に寄与し、戦略的な流動性を提供し得ます。ETFが不発でも下振れリスクを一定程度緩和し、環境改善後の成長基盤を築く可能性があります。

結論

現物XRP ETFに関するSECの今後の判断は、投資家にとって極めて重要な分岐点です。承認となれば、機関需要に支えられた力強い反発のトリガーになり得る一方、足元の市場の弱さと規制不確実性は価格の重しとなり、下値メドは$1.5付近まで意識されます。Rippleによるデジタルアセット・トレジャリーの設立は、長期的なXRPコミットメントを示すもので、ボラティリティが高い局面の安定化にもつながり得ます。