Hyperbridge：年間1,000万件のメッセージを処理すれば損益分岐点に達する！

ブロックチェーンの世界では、多くのクロスチェーンプロトコルが「コンポーネントの組み合わせ」に過ぎません——1つのチェーン、ノードセット、少しの暗号技術——しかし、Hyperbridgeはまったく異なります。

Hyperbridgeは、より複雑で、より厳密、かつ大胆なシステムです：複数階層のノード、検証メカニズム、経済的インセンティブ、そしてPolkadot自体のセキュリティによって構成されています。どの要素も欠かすことができず、どの部分も単独で動作することはできません。

私がこのことに初めて気づいたのは、ブリュッセルで開催された第1回Sub0でした。当時、皆が議論していたのはHyperbridgeの暗号学的基盤——証明、検証、クロスチェーンロジック。しかし、その後チームとの継続的な交流を通じて、私は本当に理解しました：Hyperbridgeのコアは単なる暗号学ではなく、開発者が完全に退出した後も動き続ける暗号経済メカニズムなのです。

まさにこの問題から、私たちはHyperbridgeの真の姿を見抜くことができます：それはパラチェーンでも、特定のリレーノードでも、Polkadotのサブモジュールでもなく、階層構造・明確な役割・動的インセンティブ・Polkadotの経済的セキュリティによって裏付けられたクロスチェーンシステムです。

• 「信頼されないリレーレイヤー」から、「Polkadotによる最終検証を経た信頼できるレイヤー」へ；
• 証明検証を担うCollatorから、コンセンサス同期を維持するコンセンサスリレー、実際にクロスチェーンデータを伝達するメッセージリレーへ；
• 極めて低いハードウェア要件、2GBメモリで動作可能な軽量ノードから、全体のセキュリティを支えるPolkadotバリデータセットまで……

Hyperbridgeのあらゆるディテールは、同じ問いに答えています：「真に無人管理で、長期的に信頼できるクロスチェーンプロトコルをどう構築するか？」

本稿では、構造・ノード・経済モデルからPolkadotの役割まで、Hyperbridgeというクロスチェーンマシンの内部構造を一挙に解説します！

Hyperbridgeプロトコルは単一のコンポーネントではない

Hyperbridgeプロトコルは単一のコンポーネントではありません。それはHyperbridgeパラチェーン自体でもなく、特定のリレーノードでもなく、Polkadotネットワークの一部でもなく、これらすべての要素が有機的に組み合わさった全体です。

この全体には、コンセンサスリレー、メッセージリレー、ブロックプロデューサー、ステーキング参加者が含まれ、同時にPolkadotを基盤ネットワークとして依存しています。どれか一つでも欠ければ、Hyperbridgeは正常に動作しません。

もしPolkadotが利用できなければ、Hyperbridgeは存在し得ません；特定のリレーノードがオフラインになれば、プロトコルも停止します。したがって、明確なインセンティブ構造と暗号経済的保証を構築し、すべての参加者が効果的に結集し、プロトコル運用を共同で維持できるようにする必要があります。

OSIモデル（特にTCPの階層アーキテクチャ）に詳しい方なら、Hyperbridgeの設計ロジックをより理解しやすいでしょう。OSIモデルには物理層、リンク層、アプリケーション層、プレゼンテーション層があり、クロスチェーン相互運用性でも同様の階層方式を採用しています。

全体構造の最上層はPolkadotネットワークで、Hyperbridgeプロトコルスタックの他のすべての部分に実行基盤を提供します。その下にHyperbridge自身のネットワーク（パラチェーンシステム）があり、最下層にはリレーノードがあります。これらはHyperbridgeプロトコルの「物理的接続」に相当し、すべての外部ネットワークと接続し、外部情報の収集、各種証明の検証、クロスチェーンデータの処理を担当し、これらの内容をHyperbridgeに提出します。Hyperbridgeは初期検証を即座に行い、その後の作業結果をPolkadotに最終確認してもらいます。つまり、Polkadotは「すべてのデータと操作が規則通りに実行された」という最終的な保証を与えます。

ここに重要な構造的特徴があります：Hyperbridgeネットワークとリレーノード自体は「信頼されていない」、この層には経済的セキュリティ保証がありません；データが最上層のPolkadotネットワークに流れると、「経済的セキュリティ層で保護された」部分に入ります。つまり、PolkadotはHyperbridgeとリレーノードの両方の行動を監督し、両層が規則通りに動作することを保証します。具体的な役割分担として、リレーノードはCollatorと協力してクロスチェーンプロセスを完了させます：リレーノードはトランザクション、証明、クロスチェーンデータを収集し、それらをブロックプロデューサーに提出します；Collatorはすべての情報が真実・完全・適合しているかを検証します。検証を通過したトランザクションのみがブロックに入り、無効なデータはこの段階で直接ブロックされます。

この点は非常に重要です。無効なトランザクションを事前にブロックすることで、貴重なブロックスペースを大幅に節約できます。Collatorがすべての検証とパッケージングを終えた後、ブロックをPolkadotネットワークに提出します。Polkadotのコア機能の一つは、すべてのブロックを検証することです。EthereumエコシステムのLayer2が自分でゼロ知識証明を生成する必要があるのとは異なり、Polkadotは直接ブロック検証を代行します。Polkadotが検証を終えると、「ブロック内容がすべての規則に適合している」と確認し、「ブロック有効性証明」（または有効性証明書）を生成します。この点は非常に重要で、後ほどさらに詳しく説明します。

Hyperbridgeの3大役割：Collator、コンセンサスリレー、メッセージリレーはクロスチェーンシステム全体をどう駆動するか

まずはHyperbridgeネットワークの最初の重要な役割：Collator（ブロックプロデューサー）から始めましょう

彼らの主な責任は、クロスチェーン相互運用性の各種証明書を収集・検証することです。主に2種類の証明付きトランザクションを処理します：1つはコンセンサスメッセージ、もう1つはクロスチェーンメッセージ。

ここで従来のブロックチェーンシステムと大きく異なる設計があります：Collatorはステーキングノードではありません。多くのブロックチェーンでは、アクティブノードになるには大量のトークンをステーキングしてノードセットに入る必要があります。しかしHyperbridgeでは、まったく異なるメカニズムを採用しています：

• Collatorになるには、少量のBridge Tokenをロックするだけで最低条件を満たせます； 
• しかし、実際にシステムに選ばれてCollatorを務めるには、「評判ポイント」を消費する必要があります； 
• 評判ポイントは、長期間アクティブなリレーノードを務めることでしか獲得できません。 

つまり、リレーノードだけがCollatorになる資格を持ち、他の方法はありません。賄賂やコネ、資格購入でCollatorセットに入ることはできません；Collatorになる唯一の方法は、長期間安定してリレー業務を遂行し、評判ポイントを蓄積することです。さらに、Collator申請時には少額の保証金を支払う必要があり、検証プロセスに入ります。

最終的な選抜方法も非常にシンプルです：システムは評判ポイントの高い順に並べ、最も高いリレーノードがその期のCollatorとなります。また、Collatorセットは24時間ごとにローテーションし、新規参加や優秀なリレーノードにも次のラウンドに入るチャンスを確保します。

Collatorの仕事には明確な報酬があります：1ブロックをパッケージングするごとに約0.7Bridge Tokenを獲得できます。しかし、ブロックを逃したり、時間通りにパッケージングできなかった場合は、この報酬は得られません。

次に、コンセンサスリレーノードについて説明します

コンセンサスはクロスチェーンメッセージにとって極めて重要です。すべてのクロスチェーントランザクションは、Hyperbridge上で「ソースチェーンで最終確定済み」であることを確認する必要があります。そのためには、外部チェーンのコンセンサス証明を取得しなければなりません。

問題は、現代のブロックチェーン——特にSlot（スロット）ベースのブロックチェーン——は、トランザクションの有無にかかわらず、常にブロックを生成し続けることです。つまり、クロスチェーン動作がなくても、外部ネットワークのブロックは増え続けます。したがって、Hyperbridgeはこれらの情報をリアルタイムで同期し、将来のクロスチェーンメッセージを正しく検証できるようにしなければなりません。

これこそがコンセンサスリレーノードの主な責任です：外部ネットワークのコンセンサスメッセージを継続的に提出し、Hyperbridgeと外部チェーンの同期を維持します。トランザクションが発生しなくても、この同期は継続しなければなりません。彼らがこれらのコンセンサスメッセージを提出する際、トランザクション手数料は不要で、逆にHyperbridgeプロトコルから直接報酬が支払われます。

コンセンサスリレーノードがこの継続的な作業を遂行するようインセンティブを与えるため、プロトコルはBridge Token報酬を提供します——つまり、コンセンサスリレーノードは同期タスクを実行することで安定したToken収益を得ることができます。

次にメッセージリレーノードについて説明します

まず全体像として、コンセンサスリレーノードとの関係を理解しましょう：仮にある外部ブロックチェーンが継続的にブロックを生成しているとします。コンセンサスリレーノードはこのチェーンとHyperbridgeの間に位置し、新たな最終確定ブロックの証明書を収集し、それらの証明をHyperbridgeに提出して、プロトコルからBridge Token報酬を得ます。このプロセスにより、コンセンサスリレーノードは長期間オンラインを維持し、Hyperbridgeとすべての外部チェーン間のコンセンサス同期が常に保たれます。

メッセージリレーノードはコンセンサスリレーノードと似ていますが、注目点が異なります：彼らはクロスチェーンメッセージの提出を専門に担当します。Hyperbridgeが新しい最終確定ブロックまで同期した後、メッセージリレーノードはこのブロックと前の最終確定ブロックを比較し、その間に新たなクロスチェーンメッセージが発生したかをスキャンします。規則に合致するクロスチェーン指令を発見した場合、そのメッセージと証明書をHyperbridgeブロックチェーンに提出します。

ただし、両者には非常に重要な違いがあります：メッセージリレーノードがメッセージを提出しても、必ずしも報酬を得られるわけではなく、時にはHyperbridgeに手数料を支払う必要があります。

その流れは以下の通りです：

• ユーザーやアプリケーションは任意のブロックチェーンからクロスチェーンメッセージを発信でき、メッセージには一定量のステーブルコインを手数料として添付します。 
• メッセージリレーノードはブロック内容をスキャンし、この種のクロスチェーンメッセージを発見すると、それをHyperbridgeに転送します。 
• メッセージが正常に提出されると、リレーノードはプロトコルからユーザーが添付したステーブルコインを報酬として受け取れます。 

さらに、調整メカニズムもあります：

• メッセージ処理量がプロトコル設定の閾値に達しない場合、Hyperbridgeは追加でメッセージリレーノードにBridge Token報酬を支給します； 
• メッセージ処理量が閾値を超えると、メッセージリレーノードはHyperbridgeにBridge Token手数料を支払う必要があります。 

この設計により、プロトコルは自然に収入プールを形成し、メッセージリレーノードの行動パターンを制御して、メッセージ伝達能力が過剰にも不足にもならないようにします。

本質的に、この全体の仕組みはメッセージリレーノードが常時オンラインを維持するためのものです：クロスチェーンデータが発生したら、システムは最短時間でそれらをHyperbridgeに届けることができます。全体のロジックはコンセンサスリレーノードと似ており——メッセージリレーノードも外部チェーンとHyperbridgeの間に位置し、外部チェーンからクロスチェーントランザクションを収集して転送します。ただし、報酬方式が異なります：メッセージ処理量が不足している場合、HyperbridgeはBridge Tokenでリレーノードを補助します；メッセージ量が設定目標を超えると、リレーノードはHyperbridgeにBridge Tokenを支払い、Hyperbridgeはその分トークン収益を蓄積します。

ZKクロスチェーンはコストが数百万ドルにもなるが、Hyperbridgeは2GBサーバー1台で十分

まず、これらのRelayer（リレーノード）やCollatorを運用するためのハードウェア要件について簡単に説明します。

まずリレーノードについて。リレーノードのソフトウェア自体は非常に軽量で、主なタスクはブロックチェーンノードにRPCクエリリクエストを送信するだけなので、ハードウェア性能の要求はほぼ無視できます。クアッドコアCPUで十分で、2GBメモリのサーバーでも楽々動作します。全体のソフトウェアはRustで書かれているため、メモリ効率が非常に高いです。

帯域幅の要求も高くありません。リレーノードとRPCノードが同じデータセンターに配置されていれば、20MB/sの帯域幅で十分です；インターネット越しにRPCノードにアクセスする場合は、より高い帯域幅を選ぶとより安定します。

実際、リレーノード運用の最大コストはRPCサービスプロバイダーのサブスクリプション料金です。

Alchemy、Quicknode、Anchorなどを利用すれば、彼らが提供するフルノードからクロスチェーンに必要なすべての証明書やデータを直接取得できるため、自身の運用コストは極めて低いです。

これこそが、Hyperbridgeが大規模クロスチェーン相互運用性で顕著な優位性を持つ根本的な理由の一つです。現在多くのクロスチェーンソリューションはゼロ知識証明（ZK proofs）に依存していますが、これは生成コストが高いだけでなく、長期運用コストも非常に高額です；それに比べ、Hyperbridgeの運用コストは信じられないほど低いです。

次にCollatorについて。Collatorのハードウェア要件はやや高くなります。Collatorソフトウェア内部でローカルのPolkadotリレーチェーンノードを動作させる必要があるため、ストレージ負荷が大きくなります。Polkadotのアーカイブノードは約3TBの容量が必要なので、デプロイ時は最低でも4TBのSSDを用意するのが望ましいです。

また、Polkadotリレーチェーンとの効率的な通信と、ブロックの迅速な提出を保証するために、Collatorには高帯域幅のサーバーが必要です。この種のサーバーの月平均コストは約200ドルです。もちろん、家庭用バリデータで自宅にノードを設置する場合は、このコストは無視できます。

PolkadotはHyperbridgeでどんな役割を担っているか

最後に、PolkadotがHyperbridgeでどんな役割を担っているのかを見てみましょう。

HyperbridgeはPolkadotエコシステムのパラチェーンの1つとして、本質的にはクロスチェーンメッセージ伝達に必要な「暗号検証コプロセッサー」の役割を果たします。しかし、このコプロセッサーの検証能力は自身が提供するものではなく、Polkadotメインネット自体のセキュリティに由来します。前述のHyperbridgeブロック「暗号有効性証明書」は、実際にはPolkadotバリデータセットによって生成されたデジタル署名であり、これらの証明書はPolkadotネットワークの現役バリデータの共同保証によるものです。

この点を理解することは非常に重要です：ブロックチェーンとは本質的に、大規模な「マルチシグメカニズム」であり、バリデータセットは動的に運用される巨大なマルチシグアカウントなのです。

では、このようなブロックチェーン級「マルチシグ」と従来のマルチシグブリッジ方式にはどんな本質的な違いがあるのでしょうか？主に2点あります：

第一：バリデータセットは動的にローテーションするが、マルチシグ委員会は静的に固定されている

• Polkadotでは、バリデータセットは4時間ごとに自動でローテーションします； 
• マルチシグブリッジ方式の「署名委員会」メンバーは長期間固定されており、秘密鍵は通常同じデバイスに長期保存されます。 

これは、従来のマルチシグブリッジが秘密鍵漏洩で攻撃されやすいのに対し、Polkadotの動的バリデータ設計はセキュリティを大幅に向上させていることを意味します。

第二：ブロックチェーンバリデータの署名には「オンチェーン経済的セキュリティ保証」がある

• Polkadotバリデータは資産をステーキングしており、誤った署名や悪意ある情報に署名した場合、そのステーキング資産はスラッシング（没収）されます。
• 対して、従来のマルチシグ委員会にはコストやリスクの制約がなく、共同で悪事を働いても損失を負う必要がありません。

これが、マルチシグブリッジがハッキングされると攻撃者が数十億ドルを簡単に持ち去れる一方で、委員会メンバーが責任を問われない理由です。

なぜブロックチェーンで「巨大マルチシグ」を直接使わないのか？唯一の問題は規模です。ブロックチェーンのバリデータ数は通常非常に多いです。Polkadotを例に挙げると：

• 現在のバリデータ数は600以上 
• 将来的には1000+に拡張される可能性も 

最適化しなければ、これほど大規模な署名検証のコストは非常に高くなります。しかし、以下の技術で解決できます：

• 集約可能なBLS署名
• ゼロ知識証明（ZK）による検証補助技術

これらのソリューションにより、大規模署名検証のコストを許容範囲に圧縮できます。

対して、マルチシグ委員会は検証コストを低く抑えるために小規模を維持するしかなく、そのセキュリティはブロックチェーンに遠く及びません。

もう一つ根本的な違いがあります：ガバナンス構造がまったく異なります。ブロックチェーンバリデータメカニズムはオープンでパーミッションレスです：

• 誰でも十分な資産をステーキングすれば、バリデータセットに参加・退出できます； 
• マルチシグ委員会はクローズドかつ許可制で、メンバーは人為的な選定と信頼保証を経ており、根本的に高い中央集権性を持っています。 

Hyperbridgeは年間約1000万件のメッセージ処理で損益分岐点を達成できる

次に、Hyperbridgeプロトコルの経済モデルを見てみましょう。Hyperbridgeの年間運用コストは明確かつ比較的固定されています。前述の通り、プロトコルはさまざまな役割にインセンティブを提供する必要があります：

• コンセンサスリレーインセンティブ：約300万Bridge Token 
• メッセージリレーインセンティブ：約140万Bridge Token 
• Collatorインセンティブ：約300万Bridge Token 
• およびPolkadotのコアタイムコスト（変動はあるが全体費用は高くない） 

総合的に計算すると、Hyperbridgeが年間ネットワーク運用を維持するために必要な総コストは約1000万Bridge Tokenです。

では問題です：この支出をカバーする資金はどこから来るのでしょうか？

答えはHyperbridgeのオンチェーントレジャリーです。トレジャリーはBridge Token総供給量の約40%を保有しており、システム最大のトークン保有者です。この準備金はプロトコルを約40年間連続運用するのに十分で、Hyperbridgeが自立的な収益化を実現するまでの時間を確保します。

収益化方法も非常に明確です：ユーザーがクロスチェーンメッセージ、クロスチェーントランザクション、クロスチェーンストレージクエリなどの操作を行うたびに、Hyperbridgeトレジャリーは一定の手数料を徴収でき、これらの手数料はメッセージリレーノードが「トレジャリーの代理」として徴収します。

現在のモデルでは、Hyperbridgeは年間約1000万件のメッセージ処理で損益分岐点を達成できます。

Token Terminalのデータによると：世界のクロスチェーントランザクション量は年間10億件を超えています。したがって、Hyperbridgeは市場シェアの約1%を獲得するだけで損益分岐点に到達し、その後は持続的な利益フェーズに入ります。

以下はHyperbridgeの現在の主要指標です：

• 各種検証操作で13兆gas以上を節約
• 5万件以上のクロスチェーンメッセージを処理済み：Polytope Labs独自アプリのメッセージも、メインネット上のサードパーティアプリによるクロスチェーン操作も含む 
• 1000万件以上の証明書（コンセンサス証明、メッセージ証明など）を検証済み 
• クロスチェーンメッセージに対応する取引量は1.8億ドルを超える
• 経済的セキュリティはPolkadotが提供し、現在規模は20億ドル超
• 14以上の主要EVMパブリックチェーンをサポート済み：Polkadot、Hydration、Bifrost、Arbitrum、Polygon、Base、Gnosis、Ethereum Mainnet、Unichain…さらに拡大中 

Hyperbridgeのコアユースケース

Hyperbridgeのコアユースケースを簡単にご紹介します。

1. Token Gateway

• バーン/ミント（burn & mint）型クロスチェーンモードをサポート； 
• 既存のERC-20と完全互換、ロック/ミント（lock & mint）モードも選択可能； 
• 任意のトークンをブリッジでき、カスタムコールデータも添付可能； 
• メインネットで複数資産をサポート済み、DOT、vDOT、ZKVerify、Mantaなど。 

2. Intent Gateway

• 高速クロスチェーントランザクションをサポート； 
• 大半のクロスチェーン操作は30秒以内に完了； 

最大のイノベーションポイントは：

• クロスチェーン注文が実行されなかった場合、ユーザーはHyperbridgeフロントエンドで許可不要・自主的に返金申請でき、即座に返金を受け取れます。
• 全体の仕組みは検証証明システムに依存：Hyperbridgeはリアルタイムで相手チェーンの状態を照会し、注文が未実行と確認され次第、即座に返金フローを開始します。 

3. 開発者エコシステムと構築中のサードパーティアプリ

現在、すでに多くのサードパーティチームがHyperbridgeを基盤に開発を進めています：

• Hydration：Hyperbridgeを基盤にカスタムIntentソリューションを構築中、また一部ETHステーキングデリバティブの価格オラクルも開発中。 
• Bifrost：vTokenの価格オラクルを構築中で、非同期vTokenミント機能のリリースも計画中。 
• 複数のハッカソンチームがHyperbridgeテストネットにアプリをデプロイ済み。 

私たちもさらに多くのネイティブアプリ方向を積極的に模索しています：

• 検証可能な価格オラクル 
• クロスチェーンガバナンス（1つのチェーンでガバナンス提案を発起し、全チェーンで結果を取得） 
• クロスチェーンID認証（IDデータを1つのチェーンに保存し、複数チェーンで直接呼び出し可能） 
• 履歴ストレージクエリ機能（コントラクトがターゲットチェーンの履歴状態を読み取れる、Merkle Treeによるインセンティブ配布プロトコルに極めて重要） 

最近、新しい開発者ツールキットもリリースしました。内容は以下の通りです：

• Solidityアプリ向けの完全なHyperbridge Solidityインターフェース
• ウォレットやフロントエンド向けのTypeScript SDK
• Subqueryインデクサー
• Intent Fillerなどの補助コンポーネントで、開発者がクロスチェーンアプリを迅速に構築可能。 

重大発表：HyperbridgeがPolkadot Hubにネイティブ統合予定

HyperbridgeはPolkadot Hubにネイティブ統合されます。これは、Polkadot Hub上で動作するすべてのアプリが、Hyperbridgeを通じてPolkadotエコシステム外のブロックチェーンと直接やり取りし、クロスチェーンストレージ、クロスチェーンクエリ、クロスチェーンメッセージ伝達などの機能を利用できることを意味します。

また、Parityチームと連携し、BLS Beefyの実装を積極的に推進しています：

• 現在Polkadotコンセンサスの証明ノードはPolytope Labsチームが運用中 
• 将来的には集約可能なBLS署名技術でバリデータの分散化を実現 
• これにより、Hyperbridgeの完全な分散型運用が最終的に実現されます 

HyperbridgeのEVMエコシステム統合も拡大中で、今後新たに以下のサポートを追加予定です：

• Arc 
• Tempo 
• Monad 
• Sonic 
• Tron（Tronは現在ステートコミットメント機能を開発中、完了後に正式サポート） 

さらに、CosmosエコシステムのEVMチェーンもすでにサポートしています：

• Sei 
• Cronos 
• Injective
• その他複数のEVM互換Cosmos系ネットワーク。 

私の発表は以上です。ご清聴、ご参加ありがとうございました！