また感謝祭の季節がやってきて、暗号資産による寄付が新たなトレンドとなっています

暗号資産による善意が今、正当な時を迎えています。

執筆：Rachel Wolfson

翻訳：Chopper，Foresight News

感謝祭はアメリカにおける慈善寄付の重要な節目であり、11月末から年末にかけての寛大なシーズンの幕開けを告げます。そして2025年、暗号資産寄付という新たなトレンドがホリデーシーズンの慈善活動を再構築し、爆発的な成長を遂げています。

暗号資産寄付プラットフォームThe Giving BlockのCOO、Benjamin PoustyはCryptonewsに対し、同プラットフォームが今年すでに数千の非営利団体に対して、総額約1億ドル相当の暗号資産寄付を処理したと明かしました。

「これはこれまでで最も好調な年です」とPoustyは述べ、「2018年のローンチ以来、当社が処理した暗号資産寄付の総額は約3億ドルに達しようとしており、これは暗号資産による慈善活動にとって重要なマイルストーンです」と語りました。

2025年：暗号資産寄付のブレイクスルーイヤー

現在、暗号資産市場は下落局面にありますが、Poustyは、最近の史上最高値が今年の慈善寄付急増の重要な原動力であると考えています。

「暗号資産市場はここ数年で新たな高値を記録しました。過去のデータを見ると、資産価値が上昇すると慈善寄付も同時に増加する傾向があります」と彼は述べています。

例えば、bitcoinは2025年10月6日に12.6万ドル超の史上最高値を記録しました。Poustyは、bitcoinが今年も同プラットフォームで受け取った最大の寄付資産であり、次いで主要なステーブルコイン、USDT、USDC、RippleのRLUSDが続いていると指摘しています。

「Ethereum、Ripple、Solanaの寄付も引き続き活発です」とPoustyは付け加えました。

暗号資産価格が下落し続けていても、Poustyはホリデーシーズンの暗号資産寄付が毎年急増することを指摘しています。12月だけで年間寄付額の約30%を占めており、これは全体的な慈善寄付の傾向と一致し、寄付者がホリデーシーズンにより寛大になることを示しています。Poustyは、12月2日の「Crypto Giving Tuesday」には暗号資産寄付がピークに達すると予想しています。

「これは暗号資産コミュニティ版の『Giving Tuesday』です」と彼は説明し、「The Giving Blockにとっては、大型寄付シーズンのファンドレイジングイベント『Crypto for Good』の正式なスタートを意味します。このイベントはWeb3分野の寄付者、非営利団体、パートナーを集め、寛大な精神を広め、暗号資産を通じた慈善寄付を促進します。」

暗号資産寄付の年間インパクト分野

ますます多くの非営利団体が暗号資産寄付をサポートし、受け入れ始めており、こうした取り組みの実際のインパクトが示されています。

例えば、暗号技術企業Moonpayの社長Keith GrossmanはCryptonewsに対し、2021年に非営利団体New York Caresの暗号資産寄付プロジェクトの立ち上げを支援したと述べました。Grossmanは同団体の理事会メンバーとして、暗号資産寄付がNew York Caresにもたらした実際の成果を強調し、2025年はニューヨーク市最大のボランティアネットワークである同団体にとって特に重要な年であると語りました。

「今年は16の暗号資産企業がCrypto for Goodイニシアチブに合計40万ドル超を寄付し、このイニシアチブはニューヨーク市のTitle I学校（注：米国の低所得家庭向け公立学校）を支援しています」と述べました。

この活動はNew York Caresが暗号イノベーションを広く受け入れる一環でもあります。「Moonpayの視点からは、Helio（現在はMoonpay Commerceに改名）をNew York Caresの公式サイトに統合し、一部の寄付処理を支援しています」とGrossmanは説明しました。

さらに、The Giving BlockのCrypto for Goodレポートによると、暗号資産寄付は定量的な成果を生み出しています。2025年末までに、暗号資産寄付のおかげで2,850万人の子どもたちが食糧支援を受け、35.7万人が安全な飲料水を得て、22,160匹の動物が救助・治療を受けました。

ドナーアドバイスファンドが暗号資産コミュニティを後押し

暗号資産寄付は伝統的な非営利団体を支援するだけでなく、暗号資産エコシステムの発展にも資金を注入しています。

Unchained Capitalの共同創業者兼CEO、Joe KellyはCryptonewsに対し、同社が今年4月に「Bitcoin Legacy Project」を立ち上げたと明かしました。この慈善イニシアチブはbitcoinエコシステムの強化を目的としています。

「このプロジェクトは初期資金として100万ドルを約束しており、今後数年で資金規模を拡大する計画です。プロジェクトはbitcoinの未来を推進する開発者、教育者、アドボケーターを直接支援します」とKellyは述べました。

彼は、「Bitcoin Legacy Project」は初のネイティブbitcoinドナーアドバイスファンド（DAF）プラットフォームであり、寄付者が構造化された節税方法でbitcoin理念に沿った非営利団体を支援できると説明しました。

エコシステムの発展をさらに支援し寄付行動を促すため、Kellyは、Unchainedが自社のネイティブbitcoin DAFプラットフォームを通じてパートナー団体に寄付された資金に対し1:1のマッチング助成を行うと指摘しました。MITメディアラボのデジタルカレンシーイニシアチブ、人権財団、Open Sats、Brinkなどの団体は、このプログラムを通じて最大1bitcoinの助成を受けます。

「DAFは高額所得者や組織にとって、シンプルかつ節税効果の高い社会貢献の方法です。寄付者はbitcoinや他の資産を寄付し、即座に税控除を受け、寄付資金をbitcoinのままファンドに保管できます」とDAFは述べています。

寄付者はいつでも米国の501(c)(3)条項に適合する任意の非営利団体への助成を推薦でき、受領側もbitcoinでの寄付受け取りを選択できます。

この多様な取り組みの一環として、「Bitcoin Legacy Project」は初年度にさらに6つの重要なイニシアチブに資金を提供します。これには、ナッシュビルとオースティンのBitcoin Park、デンバーの「The Space」など、開発者に必要なインフラを提供する主要なbitcoinセンター3つが含まれます。

暗号資産寄付のメリット

自身が関心を持つ社会貢献活動を支援できるだけでなく、暗号資産寄付には多くの税制上のメリットもあります。

Poustyは、暗号資産寄付は増価資産を売却するよりも通常、税務上効率的であり、寄付者はキャピタルゲイン税を免除されると同時に、資産の公正市場価値全額を税控除できると述べています。

例えば、寄付者が暗号資産を12ヶ月以上保有し、資産価値が上昇していた場合、寄付後はキャピタルゲイン税が完全に免除されます。これが最大の税制上のメリットであり、多くの寄付者が現金ではなく暗号資産での寄付を選ぶ主な理由です。

さらに、暗号資産は国境を越えて即時送金できるため、非営利団体は緊急時により早く資金を受け取ることができます。

例えば、2022年にロシアがウクライナに侵攻した直後、ウクライナ政府は公開の暗号資産ウォレットアドレスを作成し、さまざまな暗号資産による寄付を受け付け、数百万ドル相当の暗号資産がウクライナの救援活動に活用されました。

注目すべきは、暗号資産寄付はより若い寄付者層を引き付ける傾向があることです。これはミレニアル世代やZ世代が暗号資産ユーザーの主流を占めているためです。

注目すべき課題

暗号資産寄付には多くのメリットがありますが、一部の団体や寄付者は依然としていくつかの課題に直面する可能性があります。

まず、暗号資産のボラティリティが問題を引き起こす可能性があります。資産価値が下落し、ドルに即時交換されなかった場合、寄付の実質的な価値が減少します。また、多くの法域では、暗号資産寄付の税務処理が現金とは異なり、税控除、申告、コンプライアンスに関する規定が複雑です。

同時に、暗号資産寄付の受け入れと処理には相応のインフラが必要です。The Giving Blockなどのプラットフォームは非営利団体と直接連携し、暗号資産寄付が正しく受領され、税務申告のためのコンプライアンスレポートを提供しています。

暗号資産寄付の流入が続く

課題はあるものの、暗号資産寄付は今後も成長を続ける可能性があります。

Poustyは、暗号資産寄付が現金と並ぶ重要な寄付手段になりつつあり、このトレンドは非常に明確だと考えています。彼は、暗号資産の普及に伴い、高額所得者層による暗号資産寄付が増加し、慈善寄付全体に占める暗号資産の割合も着実に上昇すると予想しています。

「サイクルごとに、寄付者の行動はより成熟し、非営利団体はより積極的になり、業界内のパートナーもミッション主導の社会貢献活動を支援する列に加わっています。私たちは新たな未来へと進んでいます。暗号資産寄付は株式、ドナーアドバイスファンド、その他の非現金資産と同様に、現代の慈善活動の標準的な構成要素となるでしょう」とPoustyは述べています。