Metaplanetは、MERCURY優先株による資金調達後、さらに9500万ドル相当のbitcoin購入を計画

Bitcoinトレジャリー企業のMetaplanetは、23,610,000株のクラスB優先株式「MERCURY」を1株あたり900円（5.71ドル）で、第三者割当増資を通じて海外の機関投資家に発行することを発表しました。この発行は、12月22日に開催される臨時株主総会での承認を条件としています。

会社の通知によると、この取引により212.5億円（約1億3500万ドル）が調達される予定で、これはIPO前の資金調達ラウンドとして位置付けられています。しかし、MetaplanetのCEOであるSimon Gerovich氏とBitcoin戦略ディレクターのDylan LeClair氏は、SNS上でこの取引を「約1億5000万ドル」のプレースメントと表現しています。これは、MERCURY株式の236.1億円の総清算優先権に基づく数字であり、現金収入とは異なります。

MERCURY株式は、転換可能、永久的、議決権なしの優先株式であり、1,000円（6.34ドル）の名目額に対して年率4.9%の固定配当が付与されます。この証券は、固定収入と、bitcoinによる企業株式価値の上昇に連動した長期的なアップサイドポテンシャルを組み合わせたハイブリッド型商品として位置付けられています。

Metaplanetは、推定純収入204.1億円（1億2950万ドル）のうち約150億円（約9500万ドル）を、2025年12月から2026年3月の間にbitcoinの購入に充てる予定です。また、16.7億円（約1060万ドル）をbitcoin収益事業に、37.5億円（約2380万ドル）を第19回無担保社債の償還に充てる計画です。

同社は現在、30,823 BTC（28億ドル相当）を保有しており、公開企業としては4番目に大きいbitcoinトレジャリー企業となっています。

Metaplanetは、普通株式発行による希薄化を最小限に抑えつつ、長期的なbitcoin蓄積計画を継続するために優先株式の活用が不可欠であると述べており、Michael SaylorのStrategyと類似したモデルを反映しています。

DATの低迷

この発行は、Metaplanetの資本構成の大幅な再編と同時に行われます。LeClair氏はX上で、クラスA優先株式がMARS（Metaplanet Adjustable Rate Security）に名称変更され、シニアで希薄化しない優先株式として再位置付けされることを明らかにしました。MARSは市場のボラティリティを安定させるために設計された毎月変動配当を提供します。

一方、MERCURYはMARSの下位、普通株式の上位に位置し、同社が計画する多層的な優先株式構造を反映しています。

この動きは、デジタル資産トレジャリー企業の株価がここ数カ月で大幅に下落し、時価総額と純資産価値の比率が急激に縮小したことを受けたものです。

Metaplanetの株式（ティッカーMTPLF）は6月のピークから80%下落しており、同社のmNAV（株価とbitcoinの時価総額の比率）は現在約0.88となっています。