アニモカ・ブランズ（Animoca Brands）、逆買収によるナスダック上場を目指す

アニモカ・ブランズが逆買収によるナスダック上場を模索

アニモカ・ブランズ （Animoca Brands）は、フィンテック企業との逆買収を通じてナスダック上場を計画している事が複数メディアに報じられている。

香港を拠点とする大手ブロックチェーン投資会社アニモカ・ブランズは、米国のフィンテック企業カレンク・グループ（Currenc Group Inc.）を逆買収することでナスダック（Nasdaq）証券取引所に上場する計画を発表。過去のICOで既に十分な資金を調達しているこの大手暗号資産投資ファンドは、さらなる資金調達と流動性へのアクセスに加え、米国市場へのアクセスも可能になる可能性がある。合併は、米国とオーストラリアの規制当局の承認を条件としている。

上場廃止後の株式市場復帰への期待がかかる逆買収

これは、仮想通貨取引に関連する規制違反の懸念を受け、2020年にオーストラリア証券取引所（ASX）から上場廃止となったアニモカにとって、株式市場への復帰となる。

アニモカ・ブランズは、2019年9月にオーストラリア証券取引所から上場廃止となり、取引を停止していた。

ブルームバーグの 報道 によると、アニモカの共同創業者兼取締役会長であるヤット・シウ（Yat Siu）氏は株主宛ての書簡で、合併を促進するためカレンク・グループと意向書を締結したと発表。シウ氏は ブログ の中で次のように述べている。

この合併により、世界初の上場・多角化されたデジタル資産コングロマリットが誕生します。ナスダックの投資家は、DeFi（分散型金融）、NFT（非代替性トークン）、ゲーム、AI（人工知能）、DeSci（分散型科学）など、1兆ドル（約154兆円）規模のアルトコイン経済に直接アクセスできるようになります。

なお、買収完了後、アニモカの株主であるingsway Capital（イングスウェイ・キャピタル）、50T Funds（50Tファンド）、SoftBank（ソフトバンク）は、合併後の新会社の約95%を支配する見込みだ。なお、新会社はアニモカ・ブランズの名称で運営されるという。

逆買収は2026年に実施へ

この取引は2026年に完了する見込みだが、米国とオーストラリアにおける複数の規制当局の承認、および近年の監査済み財務諸表の提出が条件となる。

同社は黒字化していると報じられているが、当会計年度の通期業績はまだ公表していない。また、アニモカは米国における仮想通貨支持の高まりを受けて、ニューヨークに新オフィスを開設する計画も立てており、この計画はトランプ米・大統領の仮想通貨業界への支持が、この決定に大きな役割を果たしたという。

一方、今回の合併が成功すれば、Web3インフラへのより広範な機関アクセスへの道が開かれ、アニモカ・ブランズは従来の金融と分散型経済をつなぐ主要プレーヤーとしての地位を確立することになるだろう。