JPMorgan、機関投資家向けにBitcoinおよびEthereumを担保として受け入れ開始
JPMorganがBitcoinとEthereumを担保として受け入れる計画は、暗号資産と伝統的な金融の統合に向けた歴史的な一歩であり、大手銀行がデジタル資産に対してますます自信を深めていることを示しています。
アメリカの多国籍投資銀行および金融サービス会社であるJPMorganは、2025年末までに機関投資家クライアントがBitcoin(BTC)およびEthereum(ETH)をローンの担保として利用できるようにする予定です。
この動きは、主要な伝統的銀行によるデジタル資産の主流金融への統合に向けた最も重要なステップの一つであり、暗号通貨が正当な金融商品として認識されつつあることを反映しています。
JPMorgan、暗号資産担保ローン事業を拡大
Bloombergは、このプログラムがグローバルに提供され、担保として差し入れられた暗号資産は第三者カストディアンによって安全に保管されることを明らかにしました。特に、7月にはこのような取り組みが検討されていることが報じられていました。
当時、関係者は銀行が来年にも暗号資産担保ローンの提供を開始する可能性があると示唆していました。しかし、最新のアップデートでは、今年末までにローンチされる可能性があることが示されています。
この最新の方針転換は、JPMorganが以前に暗号資産連動型ETFを担保として受け入れ始めたことに基づいています。同行は最初にBlackRock Inc.のiShares Bitcoin Trust(IBIT)を担保とした融資の提供を開始し、デジタル資産を融資業務に統合する最初のステップとなりました。
これは、CEOのJamie Dimonが暗号資産に対して慎重な個人的見解を持ち続けている中でのことです。2023年、DimonはBitcoinを「誇張された詐欺」と表現し、「ペットロック」とまで呼びました。同年12月には、「暗号資産とBitcoinには強く反対している」と批判を強めました。
「いずれ何らかのデジタル通貨が登場するでしょう。私は暗号資産に反対しているわけではありません。ご存知の通り、Bitcoin自体には本質的な価値がありません。性的人身売買業者、マネーロンダラー、ランサムウェアによって多用されています」と、Dimonは2025年1月のインタビューで語りました。
それにもかかわらず、最新の取り組みは同行がより実利的なアプローチを採用していることを示しています。5月には、クライアントがBitcoinを購入できるようにしました。また、同行独自のステーブルコインの代替となるJ.P. Morgan Deposit Token(JPMD)も導入しました。このトークンはBase上で運用されています。
「JPMDは、J.P. Morganがパブリックブロックチェーンインフラ上で提供する初のプロダクトであり、機関投資家クライアントにステーブルコインの代替となるデジタルマネーを提供します」と同行は述べています。
さらに、JPMorganのブロックチェーンネットワークであるKinexysは大きく拡大し、1日平均取引量が20億ドルを超えました。2025年第3四半期には、Kinexysはカーボン市場、サプライチェーンファイナンス、クロスボーダー決済へとその存在感を広げました。これは、ブロックチェーンインフラを機関決済の中核要素とするという同行の目標を浮き彫りにしています。
また、JPMorganはSWIFTが進める共有デジタル台帳の構築イニシアチブに参加する30のグローバル銀行の一つでもあります。これはリアルタイムのクロスボーダー決済を促進することを目的としています。
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