加藤勝信財務大臣、仮想通貨を分散投資ポートフォリオの投資手段として支持

加藤財務大臣が仮想通貨セクターの健全な取引環境の構築を約束

加藤勝信財務大臣は、仮想通貨はポートフォリオに組み入れる価値があると述べ、仮想通貨エコシステムを支援する環境を整備するよう提言し、同セクターの健全な取引環境の 構築を約束 した。

加藤勝信財務大臣は、仮想通貨のボラティリティ（※価格変動差）の高さにもかかわらず、現代の投資戦略における役割を認識し、仮想通貨を支持する姿勢を示した。石破茂首相、小池百合子東京都知事といった著名人が名を連ね、8月25日から26日にかけて東京で開催されたWeb3カンファレンス「WebX 2025」で講演した同大臣は、安定した投資枠組みに裏付けられれば、デジタル資産は分散投資の選択肢となり得るとし、基調講演で次のように述べた。

仮想通貨は高いボラティリティのリスクを伴いますが、適切な投資環境を整備することで、分散投資の選択肢となり得ます。

また同大臣は、デジタル資産を取り巻くリスクについても言及しており、これらのリスクを軽減するためには、投資に適した環境を整えることが不可欠だと述べた。さらに、イノベーション分野における規制について同大臣は、規制が煩雑で、同分野を圧迫していると指摘。仮想通貨を取引システムに導入することは、不必要な障害を生じさせることなくイノベーションを促進するための新たな取引チャネルとして機能するだろうと述べている。

日本における仮想通貨の取引環境強化に注目が集まる

加藤大臣は、利用者基盤の拡大を踏まえたうえで、仮想通貨の健全な取引環境の構築に注力していく考えも示している。

また、同大臣は仮想通貨セクターの利用者基盤の拡大を指摘し、日本における仮想通貨の取引環境強化を約束した。この発言は、金融庁が政府に対し、仮想通貨による利益に対する課税モデルの見直しを要請してから数カ月後のことで、規制当局は、仮想通貨が雑所得として15%から56%の税率で課税される現行制度から、株式投資と同様の一律20.315%の税率への移行を提案している。

日本が仮想通貨への進出に真剣に取り組んでいることを踏まえ、ドナルド・トランプ（Donald Trump）米大統領の息子であるエリック・トランプ（Eric Trump）氏は、一族が経営するWeb3事業拡大のため、日本への進出を検討していると報じられている。さらにエリックは、アジアコンテンツ企業で2番目にビットコインを保有するメタプラネット（Metaplanet）の株主総会に出席する予定で、日本に注目している事を表している。

現在、金融庁が早ければ今年秋にも円建てステーブルコインの発行を認可する準備を進めているとの報道もあり、これは日本の規制された金融エコシステムへのデジタル資産の統合に向けた新たな一歩となると期待されている。