元検察官：トランプの米国ビットコイン備蓄プログラムは違法、押収資産の売却は被害者の補償に充てるべき

ドナルド・トランプの選挙公約である、米国政府が保有する暗号通貨を使用して国家ビットコイン準備金を構築するという提案は、元検察官たちの間で懸念を引き起こしています。彼らは、この動きが犯罪被害者に補償するために使用されるはずの押収されたデジタル資産を転用することになると述べています。ブルームバーグによると、専門家たちは、トランプの「ビットコインを決して売らない」という哲学が、米国の没収法の基本原則に違反していると指摘しています。政府は押収した資産を売却して犯罪被害者に補償し、法執行を支援するのが原則です。

元連邦検察官でIncite Consultingの代表であるアマンダ・ウィックは、「この『準備金』の多くはハッキング、ランサムウェア、詐欺の被害者に属しており、そのお金は被害者に返還されるべきです。もし彼らがこれを知っていたら、暗号通貨コミュニティはビットコインを貯め込むために被害者を騙すべきだとは言わないでしょう」と述べています。

司法省で没収を担当していた元連邦検察官のエリザベス・ボイソンは、提案されたビットコインの備蓄は現行法に沿っていないと述べています。ボイソンは、「資産没収の主な目的は、犯罪者が不法行為を通じて取得した財産を奪うことで犯罪活動を抑止し、罰することです」と述べ、トランプの提案は「資産没収の目的および現行法の資産没収の許可と一致していない」と付け加えました。

別の元連邦検察官であるローレル・ルーミス・リモンは、米国政府は裁判官から最終的な没収命令を取得した後にのみ資産を回収できると述べています。彼女は、政府がトランプの主張するように資産を使って金を稼いでいるわけではないと述べました。リモンは、「彼は暗号通貨業界を取り込もうとしていると思いますが、それはあまり意味がありません」と述べています。